黒ずんだシルバーアクセサリーをキレイに!

綺麗だったシルバー(銀)のアクセサリーや飾りがくすんだり黒ずんでしまった……と、嘆いている人はいませんか?
身につける貴金属類の中で、シルバー(銀)は他とはちょっと違うんですよ。

黒っぽくくすんでしまったシルバーを『錆びてしまった』とか『酸化した…』と勘違いしている人もいるかもしれませんね。
でもそれは違います。それに、実は輝きを失った銀製品を簡単にキレイにする方法があるんです。☆⌒(*^∇゜)v



銀がくすむのは、【酸化】ではなくて【硫化】です

身近な化学反応で良く目にするのは『酸化』です。
鉄が錆びてぼろぼろになってしまうのは、酸化によるものなんですね。d(^-^)

銀も確かに酸化させることは可能です。この場合は【酸化銀】と呼ばれます。
これは化学式でいうと…… Ag2O

ところが、酸化銀は加熱すると化学反応で簡単に酸素と銀に分解されてしまいます。

酸化銀  →  銀 + 酸素
2Ag2O→ 4Ag+ O2

そもそも酸素と結びついて酸化銀になることは少なく、例えなったとしても加熱することで容易に分解してしまいます。
ですから酸化そのものは心配いらないですね。
銀は酸化しても怖くありませんし、むしろ酸化銀にする方が大変だと思いますよ。

では、黒ずみの原因は何かというと…シルバーアクセサリーなどの銀製品がくすんでいるのは、硫化によるものです。
シルバーを置いておくと黒くなるのは、空気中に含まれる硫化水素と反応して、表面に硫化銀が発生するためなのです。

硫化水素 + 銀 → 硫化銀 + 水素
H2S + Ag → Ag2S + H2

また、シルバーのネックレスやピアスをつけたまま温泉に入って急速に黒くなってしまった……という経験をされた方もいるかも。
これは、温泉に含まれている硫黄のせい。
温泉の蒸気に含まれる硫黄が、あっという間に硫化銀を発生させてしまいます。

銀 + 硫黄 → 硫化銀
2Ag + S → Ag2S


シルバー(銀製品)とアルミホイルと塩(または重層)そして熱湯

硫化した銀を元に戻すには、ほとんどの家庭にはあるはずの【アルミホイル】【塩(または重層)】【熱湯】があればこと足りてしまいます。
具体的な方法は下の写真で……。
黒ずんだシルバーアクセサリー 一般的なハート型のティファニーのシルバーネックレスです。
かなり黒ずんでしまっていますね。
せっかくのティファニーもこれでは台無し。(T∇T)

これでは、ちょっと身につけることはできませんね。(´ヘ`;)

チェーン部分はシルバー専用のクロスで磨こうにも、なかなか厳しい状態です。
アルミホイルの上にシルバー背ネックレス アルミホイルを敷いて、その上に黒ずんでしまったシルバーのアクセサリを置きます。

そして塩(塩化ナトリウム)を入れます。
(塩を入れた後にに、アクセサリーをアルミホイルで包んでもOKです)
シルバーとアルミと塩 反射で見にくいですが、中央に塩が入っています。

このまま熱湯を注ぎます。
化学反応を起こさせる為に、温度は大切ですよ。
硫化銀を元に戻す 湯気でカメラが曇ってしまいました。
熱湯を注ぐと、ウソのようにシルバーがキレイになっていきます。
初めて試した人は、たぶん驚くでしょうね。

多めに塩を入れたので、お湯を注いだだけでは溶けていないですね。

お湯が冷めると化学反応もしないので、熱湯をかけるのではなく、このまま火にかけてグツグツ煮る方もいます。

ティファニーのシルバーネックレス はい、出来上がりです。
元のシルバーネックレスの輝きが戻っています。

ほとんどの家庭の台所にある塩とアルミホイルでシルバーアクセサリーのお手入れができるのはありがたいですね。

細かなチェーン部分も、これならすっきりとキレイに。

ティファニーのネックレスも喜こんでいるぶことでしょう。
この硫化銀の化学反応は以下のようなものですね。

アルミ + 水 + 硫化銀 → 水酸化アルミニウム + 銀 + 硫化水素
2Al + 6H2O + 3Ag2S → 2Al(OH)3 + 6Ag + 3H2S

銀よりアルミの方がイオン化傾向が大きい為に起こる化学反応です。

ちなみに、重曹(炭酸水素ナトリウム)2NaHCO3 塩(塩化ナトリウム)NaCl は触媒(電解質)ですよ。
化学反応を助けるものです。

ただこの化学式をみると『なんだ、また硫化水素が出来てるじゃないか。これじゃすぐに銀と反応するぞ』と思う人もいるのでは?

でも大丈夫です。d(^_^o)

アルミのイオン化傾向が強いので、水の中の【OH】が強制的に取られてしまいますから、残った【H】は【S】とくっつくしかないのです。
(あくまでも、お湯の中の話ですよ。)

銀のもうひとつの黒ずみの原因【塩化銀】

塩化銀(AgCl)もシルバーを黒くする原因のひとつです。
そしてこれはけっこう厄介なんですよね。

塩化銀は銀(銀イオン)と塩素(塩化物イオン)の反応によって発生します。
2 Ag + Cl2 → 2 AgCl

そして、そして……塩化銀は日光に当たると変色します。
この原理(化学反応)は銀塩写真で有名ですね。
詳しくはこちらのサイトで。
http://web.canon.jp/technology/s_labo/light/003/01.html#c003s001h002

オシャレなシルバーアクセサリーも塩化銀になってしまうと、黒くなるのは確実になってしまいます。
それにこの塩化銀を還元(元に戻す)するのは大変です。(できないことはありませんけど……)
還元剤を使っても、上手に行かないことも……。(o ><)o

シルバーアクセサリーを身に付けたまま、塩素系漂白剤や塩素系所毒液を使ったりするととっても危険!
気をつけてくださいね。

シルバー製品の保管方法

シルバーのアクセサリーを保管する方法で一般的に言われているのは、ラップや密封パックで密閉してしまう方法。
酸化は怖くないので、この場合は硫化水素に触れないようにするという意味ですね。

……で、ですね。d(^0^)

密封パックの材質はポリエチレン系だったり、ナイロン系だったり……ラップもポリエチレン系、塩化ビニリデン系だったり。
材質で大切なのは、ガスバリア。聞いたことある人もいるかな。

ガスバリアというのは、酸素ガスなどの透過を防ぐ機能のことです。(もちろん硫化水素も)

材質で言うと、実はポリエチレン系に関しては、大きなガスバリアーは期待できないんです。
こちらのサイトが面白い実験をしていますよ。 とってもよくわかりますね。
http://sekken-life.com/life/Hozon2.htm

塩化ビニリデン系に関しては酸素などのガス透過性は低くこれは硫化水素にも通ずるものがあります。
(酸素や硫化水素を全く通さないものではありませんよ。あくまでも通しにくいということです。)

つまり、『密封する』という意味では、塩化ビニリデン系のラップなどが効果が高いと言えるわけです。

塩化ビニル製品は、シルバーを塩化銀にする?

密封する為のラップが、シルバー製品を塩化させて塩化銀になるという人もいます。
確かに塩素ガスに銀を触れさせると、塩化銀が生成して表面に付着するのは本当ですね。

……ところがですね。
塩化ビニル製品が銀に対してそれほど大きな悪影響を与えるかどうかには、大きな疑問が残ります。

硫化銀を還元させるのに使用した【塩】。 これは塩化ナトリウムなわけです。
容易に銀と反応するのであれば、硫化銀から銀へ還元した後に、すぐさま塩化銀になってもおかしくありません。
ところが実際には、そういうことにはなりません。

これは何故か?

イオン的に安定していると、化学変化は起こらないからです。

いろいろな考え方があるので、ここからは個人的意見として書きますね。

塩化ビニル製品は、悪環境中では塩素ガスを発生させることがあります。(燃やしたりすると……です)
この塩素ガスは、人体にも有毒ですし、もちろんシルバー製品を塩化銀にしてしまいます。

でも普通、塩化ビニル製品は医療用の道具としても非常に多く使用されている材質。
これは塩ビ製品が機能的にも非常にすぐれていて、安定していることを証明しているんですよね。
容易に分解してしまうようなものであれば、人体に有毒な塩素ガスを発生してしまうわけですから、そんなものを医療用具として使うわけにはいきませんからね。

塩化ビニル製品も、直射日光に当たる場所においていたり、あまりにも長期間使い続けるなどの行為をいない限りは、それほど神経質に考える必要はないと思いますよ。(悪質な環境で使用しないことが大切です。)

シルバーアクセサリーのお手入れ

シルバー専用のクロス(布)や歯磨き粉、コンパウンドなどで磨く(研磨)のも一つの方法です。
でもこれは表面を薄く削っているので、あまりゴシゴシやるのはオススメしません。

個人的にお勧めしたいのは、専用のクリナー液か上記した「アルミホイル、重曹、熱湯」です。

キレイなったら、コーティングするのも一つの手。
ただしこれは、シルバーの雰囲気がちょっと変わってしまいますし、コーティングの材質によっては磨けなくなってしまいます。

あくまでの私的感想なのですが、シルバーアクセサリーは、頻繁に身につけている時はそれほどくすまないのに、放っておくとくすむような気がします。
上品で見た目にも合わせやすいシルバーですから、宝石箱にしまうよりは、常に身に付けて使ってあげた方がいいでしょうね。